高知県の人口は、708,182人(2018年4月1日現在)で年々人口が減少しています。ちなみに2006年の人口は798,244人で、この12年で約9万人もの人口が減少しているのです。減少割合は国内でも最大であり、1955年の882,683人(国勢調査)がピークで、国の対策だけに頼っていけない状況となっています。高知県が県として存続していくためにも県民全員での取り組みが大事となっています。
高知県は日本の中でもいち早く、死亡数が出生数を大きく上回る自然減の県となっています。また、転出者が転入者より多く県人口の減少の要因となっています。対策としては県の高齢化の中、非常に困難ではありますが、高齢者には健康で長生きしていただき、子供が多く生まれる社会をつくることです。そして移住者が増える魅力ある県になることです。高知県には、素晴らしい自然があります。ここに多くの収入源を見出せば移住者にとって大きな魅力となります。このことより多くの子供が誕生することが見込まれます。
(高知県ホームページ こちらをクリック! より)
私は、県民が健康で長生きするためにまず、「健康は歯から」これが予防医療の基本と考えて高知歯科医師会と協力して取り組みました。健康な歯と素晴らしい自然で、今後とも元気な長寿県を目指します。
では、高知県の人口が増加するには、どの様な対策が必要でしょうか。私は、高知県の将来を担う「若者の県外への流出防止」・「働く場の確保(創造)」・「産業の活性化(特に一次産業)」の対策に力を入れることが大事と考えます。
若者は夢を抱き都市に向かいます。致し方無いとも思います。しかし、若者の夢を高知県内で描ける環境つくれば流出も最小限に留めることもできます。若者にとって魅力ある県にしていくことです。そのためには県外から著名人や有能な人材を投入することです。高知県内にある職種は都市圏の職種と大きく変わることはありません。若者が夢を抱け、叶えることのできる魅力的で刺激的な街を造っていきましょう。
全てのことに通じて重要なことですが、収入源を用意してあげることです。定住するのに収入が無ければ富裕者以外には難しいことです。高収入を望む者もいますし、そこまで望まない者もいます。いろんな人に合った働きがいのある職場をつくっていくことです。
県外からの移住者やUターン者にとって一番大事なことは、自分の働ける場が在るかです。どれだけの収入が見込まれるか大事ですが、一番は自分に合ったまたは、やってみたい仕事が在るのかでしょう。そのためには、専門職の強化です。高知県の掲げる「高知家」のもとに得意分野を持つ小規模企業が集まり都市圏企業に対抗していくことです。一つの小さな企業でも多く集まれば、新しい発想や仕事が相乗的に増していきます。名の無い小さな企業でも「高知家」のブランドを持つことにより県外に打って出ることが可能となります。このことは、事業継承問題の解決にもなります。一つが潰れても事業が無くならず集合体が吸収し、減ることなく増加させていきます。
また、新たな仕事に飛び込める体制も大事です。全くの未経験者でも受け入れできる体制です。これには、県の補助や指導のもと地方自治体や各種協同組合及び他の任意団体などの協力が必要です。他県では、地方自治体や町が積極的に行っているところがあります。高知県は「高知家」をもとに、このことにも取り組むべきと考えます。
■人口定住対策の中の産業活性
前は海、後ろは山、その海と山の間に広がる肥沃で温暖な平地。そんな本県の産業の主力は、農林水産業であることは言うまでもありません。その従業者数の割合は全国的に見ても高く、県としては、この一次産業の産出額を今後、如何に伸ばしていくのかが県勢の今後を見るとき、とても大事になっています。
しかし高知県は人口が減少すると同時に高齢化も進み、一次産業従業者の後継者問題が大きな課題となっています。そんな現状を知るとき、如何にして産出額を伸ばしていけばいいのでしょうか。
〇 現在の農業
現在、農業に関する県政策は生産(過程)に対しては、生産力の向上や高い付加価値化・新規就農・農地確保・経営力の強化・環境整備などにはとても手厚く制度整備とともに財源の支援を行っています。
〇 現在の林業
林業については一昨年、高知県立林業大学校も開校させ、高知の山に潜在する新しい大きな資源の活用に本格的に取り組み始めました。そして今、CLT材の登場で林業に新時代のスポットが当たり始めています。高知県の山に眠る森林資源を如何に活用するのか。雇用の吸収力も魅力的です。そして正に時代は今、循環型社会に向かおうとしているのです。この宝の山の活用次第で、本県の将来の浮沈がかかていると言っても過言ではありません。
〇 現在の漁業
一方漁業は、鮮度を高く保った運送と加工にもっと力を注がないといけません。加工業者を増やし、魚が不足するくらいでないと、魚の値段は上がりません。もちろん漁師は燃料も出ないようでは、漁労には出ていけません。当然、後継者も無くなっていきます。このままでは今後も悪循環を起こしていきます。魚が無ければ加工業者も無くなっていくのです。加工業者を増やしたり鮮度を高めた運送を行うためにも、まずは販路の拡大が重要なのです。漁獲高を上げることに血道をあげるのと並行して、販路の開拓も緊急を要していると考えます。
〇 消費に力入れを
したがって、私は農業も林業も漁業にも通じて言えることとして消費側にも、もっと注力しないといけないと考えます。販路を広げ、消費を拡大させることが、まず先です。そうすれば、収益も増え後継者も出来るのです。私は、この消費の拡大に向け精力的に動くべきだと考えます。需要が増えることにより供給は自ら充足させようとひとりでに動き始めるのです。つまり、自助努力で「働き方改革」・「技術革新」・「労働力の確保」などを生じさせます。まず基本的な、「消費あっての生産」であるという原理・原則に基づき、消費拡大に力を入れます。
〇 生産品の輸出を増やす
消費拡大には輸出も大事な要素です。高知の輸出額は452億円(2014年)で県民総生産の1.9%で全国的にみても輸出比率が非常に低い状況です。
なかでも、高知の一次産業での生産品は、殆ど輸出されていません。高知には全国的にも、また世界的にも決して引けを取らない優れた生産品が多くあります。ゆず・メロン・赤牛肉・品質の良い木材・鰹節・珊瑚製品などを含めた加工品など挙げれば他にも多数あります。ゆずは外国でも注目を浴びてきました。如何にして販路の広い外国に対し、こうした本県の名産品をどうすればより高い単価で販売できるか、今後とも一層大事となります。
〇 生産品のブランド化
国内においても、高知のメロンや赤牛肉などブランド化している生産品もあります。今後とも多くの生産品を差別化(ブランド化)していくことが価格の上昇に絶対必要なことです。
ブランド化するにあたり、観光県をうたっている高知県らしい方法を考えます。高知には、観光スポットとして「ひろめ市場」が在ります。しかし、ここには高知らしい食材が鰹のタタキを含めわずかしかありません。そこで、高知県の厳選された食材のみで料理される大規模な観光施設の建設を提案します。よくある道の駅でなく、ここに来れば厳選された食材レシピと共に紹介・販売され、「高知の美味しいもの」が一堂に集合している。そしてここでは、何時でも何でも食べれるのです。そうすることで全国的な観光スポットとなり、厳選食材はブランド化して全国に広がっていきます。観光立県に相応しい手法と考えます。
〇 後継者問題の解消
危険で汚くて重労働。3K・5Kと言われるこの一次産業ですが、頑張れば日の目を見る要素は多くあるのです。しかし今、こんな低収入の一次産業従業者でも、二次・三次産業従業者に負けない収入をもたらすことも可能なのです。実は魅力いっぱいの仕事なのです。きちんと知らしめることで後継者問題も必ず解消できると考えます。
今ほど自然や環境を欲しがる時代は無いとも言えます。その点、一次産業ほど自然志向の人にとって良い労働環境は無いのではないでしょうか。農業は、温暖肥沃な大地の中で、自由闊達に体を動かします。漁業は、大海原の大自然の中で、工夫と努力次第で稼げます。林業も言わば、森林浴の中での毎日の労働であり、これ以上体に良いフィトンチッドを体中に浴びる労働環境は、ありません。
この三業種とも、こうした自然の中に身を置く楽しさに加えて、これ以上の自由度のある職種もまたありません。また趣味と実益を両立させることも可能です。そして、働き方次第で、生産力も上がり収入も増やせ、努力と工夫と汗次第で豊かな生涯を送ることができるのです。こうした一次産業の魅力をもっともっと若い就労者に上手く知ってもらうことです。こんなことをアピールしない手はありません。
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